ふたりで対になる力
二人で互いに協力し、補い合い、高め合うことは成功するひとつの秘訣です。
聖書に、とある法則が記されています。
あなたがたは主の書をつまびらかにたずねて、これを読め。
イザヤ書34章16節
これらのものは一つも欠けることなく、また一つもその連れ合いを欠くものはない。
これは主の口がこれを命じ、その霊が彼らを集められたからである。
神さまは、すべてのものに連れ合いを与えて作られたという法則があります。連れ合いとは、対になるもの。ペア、相棒、コンビといった表現でもよいと思います。
聖書を見てみると、神さまのために仕事をするとき、二人がお互いに異なる役割をうまく果たしながら、ものごとを進めていく様子が歴史にも残っています。
旧約聖書では、モーセとアロン。
モーセは十戒を定めたことで有名ですね。アロンは、モーセのお兄さんです。モーセは神さまとよく通じ、神さまの話すことを聞くことができましたが、人々の前では口下手でした。その代わり、アロンは話すことが得意だったので、民たちに上手く話をしました。
そして、新約聖書でのペテロとパウロです。
ペテロは、元々無学でしたが、イエス・キリストの一番弟子でした。イエス・キリストの心情や、彼がどんな価値を持っている人物かをいち早くわかって、人々に伝えていきました。
パウロは、旧約の律法について博識でした。その知識を生かしつつ、より体系的にイエス・キリストの教えを広く伝えていくことができました。
この法則は、現代にも通じます。
たとえば、SONY。
井深大氏が、早稲田大学在学中に「走るネオン」を発明。そののち「戦時科学技術研究会」で、盛田昭夫氏と運命的な出会いをします。井深氏と盛田氏はSONYをつくりましたが、盛田氏は国際派で、海外マーケティングを強力に展開。「世界のSONY」を築き上げました。
そこには、「新しい商品」を開発する井深氏と、「新しい市場開拓」に手腕を発揮する盛田氏の強力なタッグがあったのです。二人のうち、どちらがいなくても「世界のSONY」はありませんでした。
本田技研においては、本田宗一郎氏は技術者、開発者であって、実務や会社経営には全くといっていいほど明るくありませんでした。一方、藤沢武夫氏は経営手腕のある人でした。彼ら二人が強力なタッグを組んだので、会社は大きく成長していくことができたのです。
ヘンリー・フォードと言えば、アメリカ自動車産業を栄えさせた立て役者です。彼の進出が目覚ましくなってきたのは、ちょうど彼が発明王トーマス・エジソンと親しくなった頃からでした。フォードはエジソンに学び、自動車開発を躍進させました。素晴らしい友人との交わりは、巨大なエネルギーを生み出すのです。
一方、こうした同世代の補い合う者の組み合わせではなく、年齢が大きく離れた者の組み合わせでは、「シリコングラフィックス」の創業者ジム・クラーク氏が、息子のような年齢のマーク・アンドリューセン氏と組んで「ネットスケープ」を創ったことがあります。
二人で対になって進めるときにうまくいくという法則を紹介しましたが、こうした聖書の法則は、過去から未来に至るまで通じるのです。