人を変える真実の愛
イエス・キリストは多くの人物に影響を与えました。
特に、彼の愛の深さに感嘆し、自分も愛を行おうという人もたくさん増えました。
しかし、愛、愛というけれども、愛するとなにがいいのでしょうか。
なにが起こるのでしょうか。人は愛によってどう変わるのでしょうか。
キリストの愛は、異性的な愛とは違い、「無償の愛」をいいます。
今回は、一人の女性の無償の愛によって人々が変わっていくお話を用意しました。
外国の話ですが、ある評判の悪い学校がありました。
そこの卒業生には、警察のやっかいになったり、自殺したりする人がたくさんいました。あるときその学校の二人の先生が、その年の卒業生の名簿を持ってきて、一人一人の子が将来何になるのか、予想をたてて書き込んだそうです。
「こいつは泥棒、こいつは殺人犯、こいつは詐欺師」と、よそのクラスの子の分まで将来の予想を書き込み、当たるかどうかを賭けたそうです。
十年後、その二人の先生が追跡調査をしましたら、一つのクラスに限ってことごとくその予想がはずれていました。
みんな立派な人になっていたのです。
そのクラスの卒業生を訪問して聞いてみると、一人の女の先生の名前が浮かびあがりました。その先生は、教師としての能力がないということで一年でやめさせられ、今は老人ホームに入っていたのでした。
二人の先生は、さっそく彼女を訪ねて、その秘訣を知ろうとしました。一時間に渡って聞きだそうとしましたが、彼女の口からは何一つ聞き出すことは出来ませんでした。「仕方がない。時間の無駄だった。」そう思いながら、二人が帰ろうとしてドアをあけたとき、その女の先生の方をちょっとふり返りました。
すると女の先生は、お客さんのことも忘れてその名簿に見入っていました。そして一人一人の子どもの名前をたどって、「ああ、この子は好きだった。この子は今どうしているだろう。好きだった。この子、かわいかったわ!」と涙を流していたのです。
彼女に特別な教育理論はありませんでした。ただ、ありのままの、その生徒たちが好きだったのです。「あなたはかわいい、あなたが大好き」という気持ちで接していたのです。だから子どもたちは悪い環境やいろいろな誘惑にもかかわらず、みんな立派に成人したのです。
ヨハネによる福音書13章1節
「過越の祭の前に、イエスは、この世を去って父のみもとに行くべき自分の時がきたことを知り、世にいる自分の者たちを愛して、彼らを最後まで愛し通された。」
この聖句は、イエス様の最後の生き様を描いた箇所です。
イエス様は死ぬときまで、最後まで全人類を愛して亡くなりました。十字架の上でも愛して亡くなりました。
女性教師の姿を通して、少しでもキリストの姿がイメージできたらと思います。