人の本質とは?聖書から根本を理解して賢く生きる方法
「人の本質」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。
表面的な性格や行動は、さまざまな経験や環境に影響されて変化していくものですが、その奥には変わらない「根本的な性質」が存在します。もし、人間の本質を理解できるとしたら、他者や自分自身に対してより深く理解でき、周囲の出来事に左右されず、より本質的な判断ができるようになるでしょう。
この記事では、「本質」の定義を探るところから、聖書を通して「人間の本質」を明らかにします。
本質の定義
そもそも本質の定義とは何でしょうか?
辞書を見てみると以下のように定義されています。
【本質とは】1 物事の根本的な性質・要素。そのものの、本来の姿。「—に迫る」「—を見きわめる」 2 哲学で、存在するものの基底・本性をなすもの。㋐偶有性に対立し、事物に内属する不変の性質。㋑実存に対立し、そのもののなんであるかを規定し、その本性を構成するもの。 3 論理学で、思惟の対象を定義する諸限定。類・種のごとき普遍をさす。→実体 →属性 →本体 |
出典:goo辞書
これを踏まえて人の本質を定義づけするならば、以下のように言うことができます。
【人の本質とは】・人の根本的な性質・要素。そのものの、本来の姿。・人の基底・本性、内側に存在する不変の性質、構成するもの。 |
つまり、人の本質は「人の根本的な性質や要素、不変の性質」と言い換えることができるでしょう。
外見は人それぞれですが、共通の根本的な性質を理解して生活できれば、目の前の状況に左右されずに賢い判断ができるようになるということです。
ゲームで遊ぶ時に、その世界のルールや登場人物の性格、クリアの方法を知っていてこそ早く進めることができます。そのように、人の本質や根本を理解すると法則がわかり、対人関係で難しい場面に遭遇しても対処しやすくなるということです。
人の本質とは
人の本質を知るためには、構造を理解する必要があります。タイトルにもある通り、本記事では聖書から人の本質を探るため、早速聖句を見ながら解説していきます。
まず前提として、聖書は人間の考えによって書かれたものではなく、神様からインスピレーションを受けて書かれた書物です。聖書にある多くの書は全て異なる時代に異なる人が書いたにもかかわらず、その内容は一貫しています。
▹テモテへの第二の手紙 3:16 (口語訳)聖書は、すべて神の霊感を受けて書かれたものであって、人を教え、戒め、正しくし、義に導くのに有益である。 |
この点についての詳細はまた別の記事で解説します。
聖書の中で人間の構造について書かれた部分として、以下のような記述があります。
▹テサロニケ人への第一の手紙5:23「5:23どうか、平和の神ご自身が、あなたがたを全くきよめて下さるように。また、あなたがたの霊と心とからだとを完全に守って、わたしたちの主イエス・キリストの来臨のときに、責められるところのない者にして下さるように。」 |
「テサロニケ」とは、ギリシャ北部の昔の都市名で、パウロがテサロニケ地方に住む人に向けて書いた手紙です。
聖句に出てきた通り、人間には「霊」と「心」と「からだ」があります。
初めて聞いた方もいるかもしれませんが、生きている全ての人間が肉体を持っているのと同時に、霊も持っているのです。
今回は、「霊」と「体」を中心に解説し、「心」についてはまた別の記事で紹介します。
人間の肉体について
聖句に出てくる「からだ」とは、文字通り生きている人間の肉体のことで、鏡に映る自分自身です。私たちは肉体を使って仕事や勉強をして、日々の生活を営んでいます。
聖書にも肉体について書かれた部分があります。
▹伝道の書12:7「ちりは、もとのように土に帰り、霊はこれを授けた神に帰る。」 |
「ちり」とは、人間の肉体のことで、肉体の成分と土の成分には大きな共通点があることがわかっています。例えば、微生物が多く存在することや、人工的には作り出せないことなどです。
また、現在は火葬が主流ですが、土葬が多かった時代には文字通り「土に還る」ということがありました。人間に限らず、植物でも動物でも、死んだあと地上に置きっ放しにしたり地中に埋めたりすると、バクテリアなどに分解されて無機成分も有機成分もばらばらになります。
ちなみに、「伝道の書」はダビデの息子のソロモンが箴言に引き続いて書いた書で、人生の虚しさや神様を信じることの意義などが書かれています。気になる方はこちらから読んでみてください。
また、人間の肉体に関する他の聖句を見てみましょう。
▹創世記2:7主なる神は、土の塵で人を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった |
創世記は、今から4600年前に神様がモーセに啓示を与えて書かせたものです。モーセは、紅海を割ったことや、十戒を作ったことなどで有名です。
人間の一番はじめは精子と卵子(遺伝子)から始まりますが、4600年前のモーセの時代は遺伝子という単語がなかったので、土の塵という単語で例えるしかありませんでした。
「神は土の塵で人を作った」と書かれている通り、実際、土を作ったような法則で人間の肉体を作ったので、身体と土は性質が似ています。
私たちは野菜や米など、土からできたものを食べると健康的な身体を作ることが可能です。一方で、化学調味料など、土から離れた物質を使った食べ物をたくさん食べると不調を起こしやすいと言われています。
先に紹介した伝道の書12:7と同じように、土と肉体は性質が似ているのでこのような例えを使ったのだと理解できるでしょう。
人間の霊について
人間の肉体は土と性質が似ていると聖書に書かれていましたが、ここからは霊の性質について解説していきます。
自分にも霊がいることに驚く方も少なくはないはずです。「霊」と聞くと、心霊スポットに出てくるような霊を想像することもあると思います。
しかし実際、霊は肉体と同様に当然のように存在しています。
▹創世記2:7「命の息をその鼻に吹き入れられた。そこで人は生きた者となった。」 |
この聖句を見ると、単純な肉体だけでは人間になりきれず、「命の息」を吹き入れたことによって初めて人間になったことがわかります。
命の息は神様から出されたものですが、神様の口から出るものは息のほかに、御言葉があります。
図で示すと、以下のようになります。
土の塵=遺伝子=肉の誕生
神の息=御言葉=霊の誕生
▹コリント人への第一の手紙15:44「肉のからだでまかれ、霊のからだによみがえるのである。肉のからだがあるのだから、霊のからだもあるわけである。」 |
肉体は両親の遺伝子から誕生し、霊は神様の「永遠に生きなさい」という御言葉で誕生して、霊と肉を持って人間として生まれてくるのです。私たちは、神様に永遠の命を授けられて存在しています。
また、世の中には霊が見える人もいるように、霊の形も肉と同じ形をしていて、見たら誰の霊なのか認識できる場合もあります。
神様を信じていても信じていなくても、生きている人間は誰でも肉体と霊を持っているため、霊について知ることがとても大切です。
霊が持っている5つの特徴
聖句を通して霊の存在を紹介しましたが、「霊がいる」と言われてもこの時点で「確かに!」と受け入れられる方は少ないと思います。はっきりと学んでこそ理解して受け入れることができるので、ここでは霊の特徴について紹介します。
私たちの霊には大きく以下の5つの特徴があります。
- 内なる自分
- 日々新しくなる
- 見えない
- 永遠
- 神様と繋がる
順番に聖句と共に確認していきましょう。
1. 内なる自分
霊の特徴の1つ目は、「内なる自分」です。
▹コリント人への第二の手紙4:16だから、わたしたちは落胆しない。たといわたしたちの外なる人は滅びても、内なる人は日ごとに新しくされていく。 |
この聖句の「外なる人」とは、肉体のことです。肉体は年をとるといずれ亡くなってしまいます。一方で、「内なる人」とは霊のことで、霊はどんどん新しくなり、美しい姿に成長していきます。
普段生活していて「今の自分は自分らしくない」「虚しい、満たされない」という感覚に陥ったことはあるでしょうか。
霊を知らずに生きていると、霊が満たされなくて肉体も虚しさを感じます。反対に、霊を成長させると肉体がなくなる時まで幸福度が上がっていくため、落胆せずに生きることができるのです。
2. 日々新しくなる
霊の特徴の2つ目は、「日々新しくなる」です。
▹コリント人への第二の手紙4:16だから、わたしたちは落胆しない。たといわたしたちの外なる人は滅びても、内なる人は日ごとに新しくされていく。 |
1と同じ聖句ですが、肉体は時と共に老いていく一方で、霊は時と共に新しくなります。
私たちは霊が新しく変化し成長していくことを希望にして生きた時、毎日喜びで生きることができるのです。
実際、人間の欲求にはきりがなく、年収800万円が幸福度の限界点であるという研究結果も発表されています。
(参考:年収800万円が幸福度の限界点?年収と幸福度の関係とは|三菱UFJ銀行)
年収が上がれば上がるほど生活を維持できるかどうかの不安に襲われ、ストレスも増加するという傾向があることからも、肉体の欲望だけを希望にするといつか必ず限界が来るといえるでしょう。
3. 見えない
霊の特徴の3つ目は、「見えない」です。
▹コリント人への第二の手紙4:18わたしたちは、見えるものにではなく、見えないものに目を注ぐ。見えるものは一時的であり、見えないものは永遠につづくのである。 |
霊は、普通に生活している時は基本的に見えません。
見えないものより見えるものの方が大事だという人もいますが、実際のところ、見えないものが世界に及ぼしている影響はとても大きいです。
例えば、風や電波は見ることができず、全世界に影響を及ぼしたウイルスも肉眼では見ることができません。また、人の心や愛も直接見ることはできません。
「見えないものに目を向ける」ことは人生においてとても重要であり、その行動が人生を変えると言っても過言ではないでしょう。
伝道の書1:2でソロモン王が「いっさいは空の空だ」といったように、肉体の世界はいずれ終わってしまう虚しいものです。
4. 永遠
霊の特徴の4つ目は「永遠」です。
▹コリント人への第二の手紙4:18わたしたちは、見えるものにではなく、見えないものに目を注ぐ。見えるものは一時的であり、見えないものは永遠につづくのである。 |
3と同じ聖句ですが、「見えないものは永遠につづくのである。」とあるように、霊の存在は永遠です。
肉が生きている間しか享受できない喜びを追い求めたとしても、亡くなったら何も残らないため、見えないものである霊に投資してこそ虚しくありません。
▹伝道の書3:11神のなされることは皆その時にかなって美しい。神はまた人の心に永遠を思う思いを授けられた。それでもなお、人は神のなされるわざを初めから終りまで見きわめることはできない。 |
また、伝道の書3:11には「神様は人の心に永遠を思う思いを授けられた」とあります。終わらない幸せ、消えない幸せは内なる人である霊が持っているということです。
5. 神様と繋がる
霊の特徴の5つ目は「神様と繋がる」です。
▹ヨハネによる福音書4:24神は霊であるから、礼拝をする者も、霊とまこととをもって礼拝すべきである」。 |
神様には肉体がなく、霊で存在しているため、肉体では見ることができません。
天皇や総理大臣など、位の高い人と会うことは一般人にとって難しいですが、同じように神様に会うことも簡単ではありません。しかし、見えないとしてもその人たちが国を動かしていることは事実です。
同じように、神様も見えないとしても宇宙と地球を動かしています。
神様は霊で存在するため、性質の違う人間の肉体とは通じることができません。しかし、人間の霊なら性質が同じなので、神様と繋がることが可能です。神様は人間と同じ形をしていて、人間がこの世に生を受けた時、霊も作られるようになっています。
肉体と霊が繋がっている仕組み
肉体と霊は通じ合うことができませんが、ではなぜ肉体が霊の虚しさを感じるのでしょうか?
ここでは、自分の肉と霊が繋がっている仕組みを紹介します。
肉体と霊を繋ぐものは、ズバリ人間の脳です。
脳の考えを詳しく確認すると、肉体が本能的に感じる考えと、霊から来る考えがあります。
具体的には、肉体は「おいしい」「うるさい」「眠い」「寒い」など、主に五感を通して考えています。
一方で、霊は「私の個性は何?」「死んだらどうなるの?」「自分の価値とは?」「本当の愛が欲しい」「善良に生きたい」など、真理や美、愛を追求したり、善悪を分別したりします。
愛は脳で考えていると言いますが、脳の神経細胞自体が愛について考えているわけではありません。
物質が愛を感じているのではなく、霊の考えを脳が受け取って考えているということです。
霊や神様を感じられない理由
私たちには霊が存在するのに、なぜ感じられないのでしょうか?
また、聖書を読むと神様は確かに存在しているのに、なぜわからないのでしょうか?
その理由は、「神様との関係が切れて霊が死んでいるから」です。
いつどんな理由で死んでしまったのか、聖句を見ながら確認します
▹創世記2:15-17「主なる神は人を連れて行ってエデンの園に置き、これを耕させ、これを守らせられた。 主なる神はその人に命じて言われた、「あなたは園のどの木からでも心のままに取って食べてよろしい。 しかし善悪を知る木からは取って食べてはならない。それを取って食べると、きっと死ぬであろう」。」 |
「エデンの園」は、神様がキリスト教の歴史を始めた場所で、アダムとエバという男性と女性が住んでいました。
神様は「善悪を知る木からは取って食べてはならない。それを取って食べると、きっと死ぬであろう。」と言いました。
しかし、アダムとエバは神様が言ったことを守ることができませんでした。聖書では以下のように書かれています。
▹創世記3:1-7「さて主なる神が造られた野の生き物のうちで、へびが最も狡猾であった。へびは女に言った、「園にあるどの木からも取って食べるなと、ほんとうに神が言われたのですか」。 女はへびに言った、「わたしたちは園の木の実を食べることは許されていますが、 ただ園の中央にある木の実については、これを取って食べるな、これに触れるな、死んではいけないからと、神は言われました」。 へびは女に言った、「あなたがたは決して死ぬことはないでしょう。 それを食べると、あなたがたの目が開け、神のように善悪を知る者となることを、神は知っておられるのです」。 女がその木を見ると、それは食べるに良く、目には美しく、賢くなるには好ましいと思われたから、その実を取って食べ、また共にいた夫にも与えたので、彼も食べた。 すると、ふたりの目が開け、自分たちの裸であることがわかったので、いちじくの葉をつづり合わせて、腰に巻いた。」 |
残念ながら、アダムとエバは神様の言いつけを守ることができず、善悪を知る木の実を食べてしまいました。
しかし「食べると死ぬ」と言っていたのに、聖句を読むと食べた後いちじくの葉を腰に巻いているので、どうやら死んではいないようです。
この部分について疑問に思っている方もいるかもしれませんが、「死ぬ」というのは肉体が死ぬことではなく、「神様との関係が切れる」ということです。神様は霊として存在して人間たちを生かしているので、関係が切れると自分の霊は死んだ状態になってしまいます。
わかりやすくいうと、宇宙に放り出されているにも関わらず、唯一の補給路が絶たれたような状況と同じです。
神様の約束を守れなかったことが罪になって関係性が切れたことが「死」です。
そして今に至るまで神様との関係が切れたまま人間の歴史は続いてきたため、さまざまな技術が発達した現在でも霊や神様を感じられずに生きています。
生きる理由や自分の存在価値がわからなくなることも、神様との関係が切れてしまっていることが原因です。
死んでいる自分の霊を生かす方法
普通に生活していただけなのに、いきなり霊が死んでいると言われても戸惑う方が多いのではないでしょうか。
ここでは、死んでいると言われている自分の霊を生かす具体的な方法を紹介します。
▹マタイによる福音書 4:4イエスは答えて言われた、「『人はパンだけで生きるものではなく、神の口から出る一つ一つの言で生きるものである』と書いてある」。 |
自分の霊を生かすためには、神様ともう一度繋がる必要があります。聖句にあるように、肉体はパンで生きることができますが、霊には神様から出てくる御言葉が必要です。
肉体の性質や体質は一人一人異なりますが、霊の性質は根本的には同じであるため、御言葉を聞いて自分の霊が成長すると、相手の話を聞いてその人のことを理解するスピードが格段に上がります。
霊が生きた結果として、本質を捉えることが上手になるということです。
また、霊が生きる御言葉は、旧約時代はモーセを通して伝えられた十戒、新約時代はイエス様を通して伝えられた御言葉など、時代ごとに 内容と次元が異なります。
イエス様の時代は約2000年も前で、御言葉もその時代背景に合うように伝えられています。そのため、技術が発達した今では辻褄が合わない部分もあるでしょう。そのため、今の時代に合った御言葉を聞いてこそよく理解して霊を生かすことができます。
もし気になる方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。
人の本質とは、霊のこと
本記事では、人の本質はつまり霊であると紹介してきました。
霊が成長すると、精神的に満たされ、虚しさがなくなります。また、自信が湧いて、考えや自分のアイデンティティがはっきりします。本質を見抜けるようになるため、高い水準で物事を考えることが可能です。
人間には、人生一生をかけて霊を成長させるという目的があります。
▷コリント人への第一の手紙 15:44肉のからだでまかれ、霊のからだによみがえるのである。肉のからだがあるのだから、霊のからだもあるわけである。 |
御言葉を聞いていない人の霊は神様との関係が切れて死んでしまっているため、人の本質を知るためにはまず肉体を通して霊を生かす必要があります。
さらに詳しく話を聞きたい方は、こちらからお問い合わせください。